脳にいい食事は「コレ!」って言えればいいのですが…そんな都合のいい食事は残念ながらありません。「バランスよく食べる」ことが一番です。でも、やっぱり「脳にいい」というか「脳が喜ぶ」食事を知りたいですよね…ということで、バランスも考えて、ここでは「五大栄養素の脳への働き」の観点からまとめてみました。
五大栄養素の脳への働き
しつこいようですが、脳にとって「これだけ取っていれば大丈夫」という栄養素はなく、バランスよく食べるのが一番です。
五大栄養素とは、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのことです。それぞれの栄養素が脳にとってどのように大切なのかをお話しします。まずは簡単に一言でいうと
- 糖質:脳の唯一のエネルギー源
- 脂質:脳の6%以上は脂質でできている、質が重要
- たんぱく質:神経伝達物質の原料
- ビタミン・ミネラル:三大栄養素を代謝するのに必要
ということです。それでは次にもう少し詳しくお話ししてきます。
炭水化物(糖質)と脳
炭水化物は糖質と繊維でできています。糖質は最終的に最小単位の単糖類であるブドウ糖(グルコース)にまで分解されます。このブドウ糖(グルコース)が、脳の唯一のエネルギー源となります。脳が身体で占める割合は、体重の2%ですが、エネルギー消費量は18%も占めます…大食いなのです!
脳はブドウ糖を蓄えることができずに消費し続けるので、常に食べ物からの補給が必要なのです。そのため、1日に必要とされるブドウ糖は120gと言われています。
また、ブドウ糖(グルコース)はグリコーゲンという形で肝臓や筋肉に蓄えられますが、肝臓のグリコーゲンは必要に応じてブドウ糖に変えられ使われます。脳は1時間に5gのブドウ糖を消費するため、肝臓はせっせと脳にブドウ糖を送ります。しかし肝臓は60g程しかグリコーゲンを蓄えることができないので、12時間(60g÷5g)しか脳にブドウ糖を送ることができません。これが、朝食抜きだと脳が働かなくボォ―とした状態になる理由なのです。
スローリリース(低GI食品)について
スローリリースとファストリリースと言われる食品があります。脳には、ゆっくりブドウ糖が血液中に放出されるスローリリース(低GI食品*)がよいと言われています。これは血糖を下げるインスリンというホルモンが上手に働きブドウ糖が安定供給されるからです。
スローリリースの食品は、野菜、きのこ、海藻類、魚介類、大豆製品、果糖、牛乳、鶏卵、蕎麦、玄米、全粉粒パンなどです。
最近流行りの糖質ダイエットもこのスローリリースとファストリリースのことが分かっていることが必要です。スローリリースとファストリリースについては別途お話しします。
*GIとは、グリセミックインデックスの略です。ブドウ糖を100として、その食品を食べた後にどれだけ血糖値が上がるかを数値化したものです。
脂質と脳
🙇準備中
たんぱく質と脳
🙇準備中
ビタミン・ミネラルと脳
🙇準備中
嗜好品の摂り過ぎには、気を付けましょう
- お酒:少量のお酒(~1合)はドーパミンを放出させ、気分を開放的にしリラックス効果や食欲を増進してくれますが、1日2合以上の飲酒は脳の萎縮スピードを早めてしまいます。これは、決して「1日1合ならいい!」(よく相談者の方に言われますが)という訳ではありません。毎日の飲酒は肝臓に負担をかけることになってしまいますので、休肝日は作りましょう。
- たばこ:たばこに含まれるニコチンは、少量なら脳を刺激し集中力・疲労回復・快感などの効果も認められていますが、これはあくまでも一時的なもので、長期的には脳に悪影響を及ぼします。また、たばこの煙に含まれる一酸化炭素は、血中ヘモグロビンと結合し脳が酸欠状態となり一過性の障害が起こると言われています。同じく煙に含まれるアセトアルデヒドは、脳内物質と化学反応を起こし毒物を生成し、神経細胞へのダメージを与えるとも言われています。
- カフェイン:適度な摂取は高揚感を生みますが、慢性的な摂取や多量摂取は、うつや疲労感を引き起こします。これは自然の興奮剤と言われているドーパミンやアドレナリンの感受性が落ちてしまうのが原因です。過剰摂取は、1日500mgのカフェイン(コーヒー5杯分)と言われています。