炭水化物について

三大エネルギー生産栄養素の1つ。「糖質」と「食物繊維」でできています。糖質は消化酵素で消化され、1gで4Kcalのエネルギーを生成します。食物繊維は消化されません。食物繊維が野菜に多く含まれているのはご存知の方が多いと思います。1日に摂取するエネルギー量の50~70%は糖質から摂るようにします。

糖質の種類

「単糖類」「少糖類」「多糖類」に分類されます。

単糖類

糖質の最小単位です。

  • ブドウ糖(グルコース):穀類や果物に多く含まれる
  • 果糖(フルコース):果汁やはちみつに多く含まれる
  • ガラクトース:おっぱいに多く含まれる

があります。

少糖類

単糖が2~10コ結合したものです。

  • ショ糖(スクロール):グルコースとフルコースが結合してできている。砂糖、さとうきび、てんさいなどに含まれています。
  • 麦芽糖(マルトース):グルコースが2つ結合してできている。麦芽、水あめなどに含まれています。
  • 乳糖(ラクトース):グルコースとガラクトースが結合してできている。母乳、牛乳などに含まれていま
    す。牛乳を飲むとお腹を下してしまう人は、この乳糖を分解する酵素が少なく乳糖不耐症と言われます。
  • オリゴ糖:人工甘味料に含まれています。消化酵素によって分解されず腸内でビフィズス菌などの栄養源になるものもあります。

などがあります。

多糖類

単糖が多数結合した高分子化合物です。

  • でんぷん:グルコースが直鎖状にくっついたアミロースと枝分かれしたアミロペクチンの混合物。穀類、いも類などに含まれています。アミロペクチンは水を加えて加熱すると粘り気がでます。お米を炊くと粘り気がでて美味しくなるのは、この作用のおかげです。
  • グリコーゲン:ブドウ糖が多数結合したもの。グルコースを肝臓や筋肉で貯蔵するためにはこのグリコーゲンという塊にします。

などがあります。

働き

動物の体内には、糖質は、わずかにしか含まれていないので、植物が光合成で作った糖質をとって(食べて)エネルギー源として利用しています。他のエネルギー源に比べて分解・吸収が早く即効性があります。ガソリンでいうならハイオクということです。
過剰なブドウ糖や果糖は体脂肪として蓄えられます。これは動物がもしもの時(飢餓や不足など)に緊急栄養とするための大事な仕組みなのですが、糖質過剰摂取の現代人にとっては肥満の原因となっています。

グリセミック・インデックス(GI)について

「GI」という指数は、耳にしたことがある方もいると思いますが、最近いわれ始めた言葉です。これは、食品によって食後の血糖値の上昇が異なることに着目して、糖質の質を評価するために作られた指標です。ブドウ糖を100として、その食品を食べた後にどれだけ血糖値が上がるかを数値化したものです。GI値が低い食品は血糖値の上昇が緩やかなため、インスリン(血糖値を下げる唯一のホルモン)の分泌が抑制されたり、血糖や中性脂肪が低下するなど糖尿病の予防・治療によいとされています。スローリリース(低GI)食品とファストリリース(高GI)食品とに分けられています。
もっと詳しく知りたい方は、スローカロリー研究会のホームページが参考になると思います。

低GI(スローリリース)食品

GI 55以下の食品。ブドウ糖をゆっくり血液中に放出します。
玄米、蕎麦、ライ麦パン、全粒粉スパゲッティ、牛乳、鶏卵、魚介類、野菜、きのこ、海藻類、大豆製品、いちご、グレープフルーツ、みかん など

高GI(ファストリリース)食品

食べた直後に血糖値を急激に上昇させます。そのため、インスリン(血糖値を下げるホルモン)が働き、一気に血液中のブドウ糖濃度が下がり、脳に必要なブドウ糖が安定供給されない状態になってしまいます。
白砂糖、はちみつ、うどん、もち、そうめん、など

糖質制限について

最近流行りの「糖質制限」は、長い目で見るとやはりリスクがあると思われます。現代人の食生活では、手軽に食べられる物は、糖質とたんぱく質でできている物が多いので、知らず知らずのうちに糖質の過剰摂取になりがちです。スポーツ栄養の鈴木志保子先生が「糖質は制限ではなく適正量にしましょう」とお話しされていました、納得です。みなさんも「糖質制限ではなく糖質適正量」を意識してみてくださいね。
また、1日の糖質摂取量をよく聞かれます。色々な考えがあるので、絶対とは言えませんが、1日120g~150gは摂取した方がいいと考えます。
ちなみに厚生労働省は「糖類については、日本人においてその摂取量の測定が困難であることから、基準の設定は見送った。」としています。

糖質制限についてはコチラ🙇準備中

最後に

五大栄養素は、どの栄養素も大切です。それぞれに役割があり、お互いが助け合って私たちの身体を支えてくれています。「〇〇が体にいい!」と聞き、ひとつの栄養素だけを極端に摂ることは、栄養素がお互いの過不足を補おうと働くため、逆に身体のバランスを崩す原因になります。

五大栄養素、健康のためにもバランスよく上手に摂ってくださいね。

五大栄養素についてはコチラ

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